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年末調整
-給与の源泉徴収の総決算-
◆年末調整とは
給与の支払者は、毎月(日)の給与支払いの際、「源泉徴収税額表」に基づいて給与から所得税を源泉徴収しています。所得税は1年間の合計収入を基に納める税額を計算しますが、毎月(日)源泉徴収した金額の合計額とは一致しないのが通常です。これは、年の途中で扶養親族に異動があった場合に異動後の支払分から源泉徴収税額を修正することや、生命保険料控除などを年末調整の際に控除することが差異の原因です。この差異を精算するために、年末に正しい税額を計算して、それまでに源泉徴収した税額との差額を還付又は追加徴収することが必要になります。この精算の手続きを「年末調整」といいます。
◆年末調整の対象となる人
原則として「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している全員について、年末調整を行います。例外的に、給与の収入金額が2,000万円を超える人や、2か所以上から給与の支払いを受ける人で他社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を
提出している人、非居住者などは年末調整を行う必要はありません。なお、年の途中で退職した人で、12月中に支給期の到来する給与の支払を受けた後で退職した人などは年末調整を行う必要がありますので注意が必要です。
◆今年の年末調整の変更点
扶養控除について、子ども手当の創設により16歳未満の扶養親族が対象から外され、16歳以上の扶養親族が対象とされました。これに伴い、同居の特別障害者に対する障害者控除の額を1人につき75万円とする制度に改められました。また、16歳以上19歳未満の人の扶養控除の上乗せ部分(25万円)が廃止され、63万円を控除できる特定扶養親族の範囲が19歳以上23歳未満の扶養親族に変更されました。
※上記の記載年齢は12月31日の現況による
解雇期間中に他社で得た収入について
-解雇無効の判決が出た場合の賃金-
◆解雇期間中の賃金
裁判に持ち込まれる解雇紛争は大変多くなっています。しかし、裁判の結果、解雇無効とされた例も多くあり、解雇とされた労働者が、解雇期間中に他社で働き収入を得たとして、その後解雇無効となった場合、解雇期間中の賃金をどう扱えばよいでしょか?
◆民法536条第2項
民法第536条第2項後段には「自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。」とあります。労働者は、その会社で労働しない期間に他の会社で働いて得た収入は本来の会社に返さなければならないとしています。
◆裁判では
不就労期間中の他社就業についての主な参考判例には、平成18年3月28日最高判決 (平成15年(受)第1099号事件)では、解雇された労働者が解雇無効を訴えて争っている期間中に他社で働いて得た賃金の扱いをめぐって争いとなった事件です。この裁判では「債務(労働)を免れた利益としてこれを償還すべきだが、平均賃金の6割までの部分については償還の対象とすることは許されない」としました。6割までというのは労基法第26条で、「使用者の責に帰すべき事由においては、使用者は休業期間中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」とされており、労基法上、休業期間中は6割以上の休業手当を補償されているためです。ですから、本来の会社としては、労働者に対して、解雇期間中にその労働者が他社で働いて収
入を得ていたとしても、平均賃金の6割は支払う義務があるということです。
◆解雇期間中賃金の計算例
本来の会社での解雇期間中の賃金が30万円、平均賃金の6割が18万円と仮定します。他社で20万円稼いでいたとすると、30万円-20万円=10万円で、10万円支払えばよさそうに思えますが、判例によれば平均賃金の18万円が下限なので、他社で20万円稼いでいたとしても、18万円は支払わなければなりません。

